始まりの駅 「姫川」

(2009年7月)
2017年3月4日のダイヤ改正とともに、10の駅が営業を終了しました。
東山・姫川・桂川(森町)、北豊津・蕨岱(長万部町)、美々(千歳市)、島ノ下(富良野市)、稲士別(幕別町)、上厚内(浦幌町)、五十石(標茶町)の10カ所です。
姫川、蕨岱、美々は以前に行ったことがあったので、残り7駅を1月から少しずつ訪問して、
3月1日に仕事を休んで最後の島ノ下駅を訪ね、ギリギリ10駅すべてを見納めすることができました。
北海道には他にも、「1日の平均利用客数が1人以下」の“廃止予備軍”の駅が、40以上あると言われます。
廃止のスピードに追い付けるかどうかわかりませんが、これからも訪問を続けるつもりです。
せっかくなので、ブログに 鉄道〔駅〕 という新しいカテゴリーを設けました。
「駅」を中心に、乗り鉄&飲み鉄の旅の記録を、地道に綴っていこうと思います。
初回は、函館本線「姫川(ひめかわ)」駅。
2日前に幕を閉じたばかりの駅だけれど、
私にとっては、「秘境駅」訪問のプロローグ的存在、秘境駅デビューの駅と言えます。
2008年5月から寝台列車を中心に鉄道を楽しむようになったわたくしですが、
最初の1年は、無人駅に行くこと自体、ほとんどありませんでした(様似と夕張は行ったかな)。
始まりは、2009年7月。
当時、JR北海道が主催していた「鉄道フォトラリー第2弾」で、「旧仮乗降場」が訪問先として指定されていたことが、そもそものきっかけです。
事前の下調べもせず、「函館出張のついでに立ち寄れそう」という理由だけで訪ねてしまったのが、この姫川駅でした。

駅舎を囲う密林やら、
獣の足跡やら、
多種多彩な昆虫やら、
レールにこびり付いた蛇の抜け殻やら、

差し迫る尿意やらで、
半泣きになったのを覚えています。
でも、このときの洗礼のおかげで、多少の秘境駅には怖気づかない、今の私が出来上がったんです。
そして、2015年3月8日に、もう一度、姫川駅に行く機会がありました。
ほぼ毎週末、寝台列車の撮影のため、JRの時刻表と日の出日の入りの時刻表を片手に、千歳線以南の沿線に繰り出していた頃です。
日の出時刻が、ちょうどトワイライトエクスプレスが森駅を通過する6:00頃だったので、森駅前のビジネスホテルに泊まってスタンバイ。
ところが、前夜に起きた人身事故で1時間30分ほどの遅れが発生したため、急きょ、1駅隣の姫川で迎え撃つことにしたんです。

7:20 姫川駅に差し掛かるトワイライトエクスプレス。
このときは朝もやで背景がまったく見えていませんでしたが…、
時間が経つにつれ…
8:09

北斗星は逆光で残念な姿ですけど、バックの駒ヶ岳は、素晴らしいでしょ。
8:47

刻一刻と移り変わる雪山を照らす太陽の光と、列車の逆光の調整がとても難しくて、カメラの楽しさを存分に味わったひと時でした。
「ひと時」っていうか、結局、姫川には5時間も滞在しちゃったんですけどね。
普通列車もほとんど「レ(通過)」の駅ですから。
でも、気温0~3℃にもかかわらず、良いお天気のおかげで、黒いコートに陽が当たって身体はぬくぬく。
さすがに長時間の滞在で喉が渇いて、飲み物を求めてバッグをほじくりかえしてみたら、
なんで?

なんで、ぬるくなったビールとトマトジュースしかないのよ(*`・з・)
そんな、最後まで、楽しい思い出を与えてくれた姫川駅でした。