ハイジの原作が盗作!? の報道∑(゚□゚;)
ご乗車ありがとうございます。「ハイジは盗作。神話は崩壊した」とスイスやドイツで報じられています。Σ(゜Д゜ノ)ノ
今日、衝撃的なニュースが駆け巡りました。
午前中、インターネットのニュースに掲載されているのを、職場のKさんが教えてくれて、第一報を読み、夕方、読売新聞の夕刊にも記事を見つけました。(以下、記事より抜粋。)
スイスの女性作家ヨハンナ・シュピリが1880年に書いた小説「ハイジ」が、その50年前にドイツ人作家が書いた別の作品によく似ていると若手文学研究者が指摘、(中略)
ドイツで活動する文学研究者ペーター・ビュトナー氏が、ドイツ人詩人・作家のヘルマン・アダム・フォン・カンプが1830年に発表した「アルプスの少女アデレード」と題する作品を偶然みつけた(中略)。
作品の筋書きや描写もシュピリの原作小説と酷似しており、シュピリが、この作品を下敷きにした可能性が高いという。(後略)
でも、「下敷き」とあるように、発見したペーター氏(←(*^^*)ペーターって…)自身も、
「私は盗作とは言わない。スピリは一部を使っただけで、シェークスピアやゲーテも同じことをやっている」と冷静に話している(「毎日.jp」のニュース記事より)そうです。
私も最初はショックでしたが、落ち着いて考えたら、19世紀の時代に、50年前の作品を転用するのは、大したことじゃなかったような気がしてきました(´・∀・`)ダメ?
当然、50年後に書かれたヨハンナ・シュピリの作品の方が、物語の完成度は高いわけですし、実際、素晴らしい作品となっています。
今、世界中の人が感動を享受できているのですから、結果オーライです。
ただし、日本のアニメのハイジは、日本人の子ども向けに、かなり原作を加工して制作されています。
実際の物語は、あんなもんじゃありません。(アニメはアニメであれでいいんですけど。)
「ハイジ」(上・下)岩波少年文庫・2003年第1刷、2005年第4刷発行/(訳)上田真而子

初めて読んだ原作です。涙が止まりませんでした。
原作は、もともと、教会で子どもたちに配布して、キリスト教の信仰をわかりやすく説き、信仰心を高める目的で書かれました。
ですので、宗教色が非常に強いです。
ハイジが苦難に直面すると、
「何もかも、神様はご存知よ」と、クララのおばあ様がハイジを諭し、
苦しい過程を経て幸せな結末を迎えると、
「神様のお導きだわ」とハイジが悟る、といった具合。
もちろん、そんな単純な話ではなく、もっと深いシナリオです。
しかし、宗教云々を抜きにしても、、です。
クララがペーターのおばあさんとの触れ合いを通じて「こんな自分でも人の役に立てる」と、自信をつかむ場面、
クララの主治医が、娘を病気で亡くした失意の中、ハイジが何気なく朗読した詩の言葉から、希望の光を見出していく場面、など、
心を打たれて、、打たれて、、
ハンカチ何枚使わせるのよ~(´□`。)°
というくらい、泣けます。
なんだか、熱くなりすぎて、何を言いたいのかわからなくなってきました。
つまりは、最終的にそうした作品に仕上げたのは、ヨハンナ・シュピリであり、その素地をつくった作家さんがいたのが事実だとすれば…、
そのお二人、両方に、感謝と敬意を払いたい、ということです。
「ハイジ」(上・下)岩波少年文庫・1952(昭和27)年第1刷、昭和49年第18刷発行/(訳)竹山道雄

(Kさんが、懇意にしている古本屋から入手し譲ってくれました。)
新・旧読み比べると、とても楽しいです。
例1) 2003年版の「20ペニヒ」 → 1952年版の「20銭」
例2) 2003年版の「召使い(セバスチャン)」 → 1952年版の「下僕」